2025年02月16日

ビタミン大根の手抜き栽培

 「ビタミン大根」(またの名を「衛青(アオナガ)大根」という)は、主に中国北京市南部で多く作られているとのことである。交配種(F1)ではなく、固定種だから種を自家採取して毎年栽培できるのだが、そこまでのことは面倒でしていない。
 この大根は、普通の大根ほどには大きくならないが、中まで緑色である。大根おろしにすると、香りもよく、とても美味い。そして、葉っぱの色は濃厚で、選り葉の炒め物は、普通の大根よりずっと美味い。生長した大根は、大根おろしにすると香りもうま味も抜群である。少しピリ辛(根の先の白い部分に顕著)ではあるが、種の購入先によって差があったり、天候に左右されたりし、一定しない。
(下の写真は2013.2.28撮影:有機肥料栽培したビタミン大根)
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(下の写真は2013.11.5撮影:有機肥料栽培したビタミン大根)
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 そうしたことから、毎年、須賀前の畑で広幅畝1畝(10m強)で2列栽培し、多くは当店(薬屋)のお客様に差し上げているが、とても評判がいい。
 なお、ビタミン大根の栽培を始めたのは、あるお客様から教えてもらったのが切っ掛けで、その栽培を始めたのが2007年。しかし、2010年までは、ほんの小さな大根にしか生長せず、こういうものかとあきらめていたのだが、実はけっこう大きくなることを2011年に発見!
 これは、例年10月に入ってから種蒔きしていたのだが、2011年は9月17日に種を蒔いたら、何と例年の3、4倍の重さに生長してくれたのである。普通の大根は遅蒔きでもけっこう生長するが、「ビタミン大根」はそうは参らぬのを知った次第である。
 そこで、2012年はもっと時期を早め、9月2日に自分で種蒔きした。そしたら、より立派な大根に生長し、以来、8月終わりに種蒔きすることにしている。
 そして、2017年秋からは慣行農法(ただし有機肥料栽培)を止めて、無肥料連作栽培に取り組むこととした。参考としたのは次の農法である。
 ①「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培」との出会い
 ②三浦伸章「ガッテン農法」を知る
 当初の2~3年、あれこれ土壌改良を試みて、これを5年間続けたのだが、ビタミン大根は育つことは育つが、小振りのもの(重量で半分以下)となってしまい、不満が残る。無肥料栽培は失敗したといったところである。→ 自然農法:ビタミン大根をメロンとの二毛作で連作・無肥料無農薬栽培(須賀前の畑)
 楽ができた点は、畑起こしをしなくて済むことと、輪作計画を立てなくていいこと。ただし、畑起こしもどき(スコップを差し込み、前方に軽く押し、隙間を作り、空気を入れる。後退しながら、約10cmピッチで行う。)は植え付け前に行うこととしている。
 そこで、2022年からは、種蒔き前に少しだけ肥料を入れ込むこととした。
 なお、前作は夏野菜(ずっとメロン類で、2022年からはトウモロコシとし、少なめに肥料を入れ込む)で、二毛作としている。
 参考:2021年までの栽培記録→ ビタミン大根の無肥料栽培

<2024年の栽培記録>
 一昨年からビタミン大根は無肥料栽培を止めて減肥料栽培とし、今年から輪作することとした。今年のビタミン大根は夏キャベツ・夏大根の後作とする。
7.31昨日今日で夏キャベツ・夏大根を最終収穫し、雑草が繁茂しているから大雑把に鎌で草引きし、刈り取った草は隣の混植畝の株周りに置く。そして、マンノウで草叩き。
8.12施肥(苦土石灰を適量、有機肥料粒と牛糞堆肥を少々)し、畑起こしもどき。
8.22マンノウで種蒔き前の草叩き
<当初の種蒔き:1か月後、芽を虫に食われるものが大半>
8.25マンノウで畝を台形に整え、小型コテで2列溝を作る。ホームセンターで購入した種を3cm間隔で置いていき、手で土被せし、手で軽く転圧。土がけっこう湿っており、水やり不要。なお、種が若干余り、畝の中央に残り種を同様に埋め込み、これは全部葉食する。
9.8きれいに発芽。法面の草叩き、生え際を大雑把に削り込み
9.20虫食いがっけっこうあり、部分的にまとまって歯抜け。
 株周りをていねいに草引き(ここ数日かけて少しずつ)
9.25最初で最後の選り。芽を食われたものが多く、栽培本数は例年の半分以下となる。
11.16コゴメが大発生している株を処分。
12.16本日初収穫2本。評価★☆☆☆☆
<当初予定の1か月遅れで種蒔きし直し>
9.28残した株でさらに芽を食われたものあり。これじゃあ全滅しかねない。なんとか芽が残っているものは残し、空きスペースに再度種蒔き。
 空きスペースに小型コテで溝立てし、種を並べて土を覆い、手で転圧。これの繰り返し。ジョウロでたっぷり散水。葉食用も種蒔きしたが、少々種が残った。
10.1種蒔き3日後にして芽吹きがけっこうあり。念のため水やり。
11.4追加種蒔き部分の第1回選り 
11.16追加種蒔き部分の最終選り。
12.16追加種蒔きは生育不良で収穫の見込みゼロ。
2025.2.16良品5本を最終収穫し、3本は普通の大根と同様に土中保存
 
<2023年の栽培記録>
 昨年からビタミン大根は無肥料栽培を止め、減肥料栽培とし、後作はトウモロコシで二毛作連作することにした。今年は、前作のトウモロコシにまずまず施肥(苦土石灰とほんの少々有機肥料粒、そして牛糞堆肥20リットル)したから、どれだけかの残留肥料があろうが、追肥することにする。
7.30トウモロコシの残骸が完全に枯れており、広幅畝の中央が凹んでいる(トウモロコシ2列植え)が、鍬でもう少し掘り、トウモロコシの残骸を埋め込み。雑草を叩きながらテンワで土戻し。これで、ビタミン大根2列種蒔きの畝が粗整形できた。
8.24苦土石灰と牛糞堆肥20リットルを振り、畑起こしもどき(「畑起こしもどき」とは小生が勝手に命名したもので、別立てブログ「三浦伸章「ガッテン農法」を知る」で紹介しているが、スコップを差して空気を入れるもので、ビッチュウによる畑起こしを軽作業化したもの)。
8.28前日に草叩きし、今日、種蒔き。
 鍬に足を乗せ、体重をかけて転圧(2列)し、種蒔き(間隔2cm程度)。ちょうど1袋全部を使用。軽く土をかけ、再度鍬に足を乗せ、体重をかけて転圧。
8.29雨がずっと期待できないので、ジョーロで水やり。
8.31昨日25ミリの雨あり、種蒔き3日後にして一斉に発芽。
9.10株周りの草引き。所々虫に芽を食われたものあり、それは除去。
9.17だいぶ大きくなり、畝全体の草叩き。虫食いはけっこうあり、一部歯抜けに。
9.20西列のみ選り(第1回にて最終選り)。かなり虫食いあり。
 虫食いがひどくて歯抜けとなった個所に、法尻で芽吹いているものを2本移植。
9.24残っていた東列の選り(第1回にて最終選り)。かなり虫食いあり。
9.30畝全体の草叩き。虫食いが若干進み、欠損株が生ずる。
11.19初収穫。10月の暖かさで生育は良く太い。評価★★★☆☆
11.26葉食用に良さそうな葉っぱが付いた大根を選んで5本収穫。
12.4その後数本収穫。今日10本ほど収穫。良品は概ね収穫終了。
3.4その後数本収穫。2月に残りを処分し草叩き。今日、マンノウで再度畝の草叩き

<2022年の栽培記録>
 今年から無肥料栽培を止め、苦土石灰を畝全体に少々振り、種蒔き位置に小々牛糞堆肥を入れ込むことにし、減肥料栽培とする。そして、今年から作付けを開始した前作のトウモロコシとの二毛作で連作することに。なお、ビタミン大根は毎年同じ畝での栽培である。
8.16トウモロコシを3回に分け時差栽培し、それが終わったので、トウモロコシを株元から切り取り、手でざっと草引きし、スコップで畑起こしもどき(ショベルを10cm間隔で刺して前方に少し押し、空気を入れる形で行う)。
 こうすると、表層は乾き、細かな雑草が大半は枯れてしまうから、後が楽だ。ただし、今年は夏の長雨で全く枯れず、新たに雑草が芽吹いてしまった。
8.25夏の長雨で細かな雑草が生え、小型コテを使いながら草取りし、テンワで均し。
 苦土石灰を全体に小々(有機肥料栽培時の半分程度)振り、鍬で軽く溝立てし、牛糞堆肥のみを少々入れ込み(有機肥料栽培時は3種類ほど入れたが、それに比べると2~3割)、テンワで土戻し。
 蒔く位置(牛糞堆肥を入れた箇所)に、鍬で2列軽く転圧して種蒔き(間隔2cm弱)。ずっと雨模様につき再転圧せず。 
9.5夏の長雨につき、直ぐに芽吹いた。細かな草をていねいに草引き
9.14株周りをざっと草引きし、周りの土を手で掘って土寄せし、ぐらつき防止
9.16テンワで畝の法面と畝の嶺を草叩き
9.20ほとんど虫食いがなく、順調に生育。ただし、芽を食われたものが散見される。第1回選り(今日1列、9.22残り1列)と軽く草引き
9.29依然虫食いほとんどなし。第2回(最終)選りをまず1列。軽く草引き
10.02残り1列の第2回(最終)選り
10.24テンワで畝の法面草叩き、手で株周り草叩き&土寄せ
11.8初収穫。もう十分に大きくなっている。
12.2大量に収穫 評価★★★☆☆
2023.1.16順次収穫中。残り良品10本ほど。
1.22本日最終収穫。良品10本弱を残し、処分。良品は自宅裏の軒下で土中保存。
3.20畝跡の大きな雑草を草刈り機で刈り、その後でテンワで草叩き。
3.27自宅裏の軒下で土中保存していたものを1本掘り出す。少々芽や根が伸びている。大根おろしにしたところ、十分に間に合う。
posted by どろんこ at 13:36| Comment(0) | 手抜き栽培:ビタミン大根 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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